淡水二枚貝の仲間

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二枚貝も他の水辺の生き物同様に、生息地、個体数ともに減少傾向にあります。 河川の三面護岸化改修による生息地の消失、外来魚による繁殖に必要となるヨシノボリなどの寄生主の減少などが影響しているようです。 特に流れを好む二枚貝の減少が気になります。
泥底を這う二枚貝(カタハガイ)イシガイ
タテボシガイ
オグラヌマガイ
タガイ
ヌマガイ
マツカサガイ
ニセマツカサガイ
カタハガイ
オバエボシガイ
トンガリササノハガイ
ヤマトシジミ
マガキ
カワヒバリガイ(国外外来種)

イシガイ

イシガイ 河川、ワンド、池などの砂底、砂泥底に生息する。二枚貝の中では最もよく見かける種類だ。 殻を砂底から3分の1程度出し、川底をよく這い回っている。移動の奇跡が砂底に残るため、見つけやすい。 入水・出水口の周辺には藻が生えていることもあり、普段からあまり全身を潜らせることがないようだ。 比較的浅い所を好むようで、乾燥や夏の暑さにも比較的強い。湿り気のある砂に潜っていれば冬に水が干上がるところでも生息できる。 形は中型長卵型で幅もやや厚い。成貝は黒っぽく、殻が厚く、持つとずっしりと重い。石のように硬く重いことから、この名が付けられたのではないだろうか。 幼貝には殻頂付近を中心にイボイボが見られるが、成長するとなくなる。 淀川から引かれたある農業用水路では足の踏み場もないくらいにいたが、現在では探さないと見つけられないほどに少なくなっている。 殻長は7cm程度であるが、まれに10cm程度の大きな個体もいる。カネヒラなど多くのタナゴ類の重要な産卵母貝となっている。

タテボシガイ

タテボシガイ 琵琶湖固有亜種。琵琶湖や内湖の砂底、砂泥底に広く分布する。かつては淀川にも生息していたそうだが、今はいないそうだ。 イシガイによく似ているが、よりずんぐりしていて丸い感じで、殻頂より前方がより短い。また殻長は5cmぐらいでイシガイより一回り小さい。 明確に区別するポイントは、擬主歯と呼ばれる殻の内部にある蝶番部分の形状で、それがイシガイより厚い。 琵琶湖沿岸で遊んでいたとき、足元周辺の砂底を手でゴソゴソすればたくさん捕れたくらいなので個体数は多い。 琵琶湖に生息するタナゴの仲間やビワヒガイの産卵母貝となっているのだろう。 写真の個体は、初秋の内湖周辺砂泥底で捕れた個体。小魚やエビと一緒にタモ網に入った。

オグラヌマガイ

オグラヌマガイ 琵琶湖、淀川、余呉湖に生息する琵琶湖淀川水系の固有種。かつて淀川上流にあった巨椋(おぐら)池に多産したことからこの名がある。 成貝の形は卵円形をしていて、かみ合わせの歯が全くなく、殻頂から同心円状に畝状のしわがある。 殻長は8~12cmで、20cmを越える個体もいるそうだ。最も止水域を好むそうで、深い軟泥底を好む。 若貝時には殻頂の両側背縁に翼状突起があり、殻は薄い黄緑褐色で光沢がある。成長するにつれてその突起は目立たなくなり、黒褐色に変わっていくようだ。 本種は古琵琶湖層からも化石として比較的よく見つかり、当時の琵琶湖の環境をうかがい知ることができるそうで、 琵琶湖・淀川を代表する淡水二枚貝とされる。写真は琵琶湖につながる池でタモ網に入った若い個体。

タガイ

タガイ いわゆるドブガイの仲間。田んぼや池などにつながる流れの緩やかな用水路や河川などの泥底、砂泥底、砂底に見られる。 ドブガイの仲間は変異が多いが、本種は殻幅が薄くて殻頂のふくらみが弱く、流線型をしている。殻長は7cmくらいで通常は10cmを越えないとされる。 一般には全身を底に潜らせていることが多く、底質に手を入れて探ってみないと発見しにくい。 殻色は幼貝は黄緑色であるが、成長につれて褐色から黒褐色になっていく。 写真はタナゴの仲間が生息している用水路で捕った個体。比較的流れがあるところの砂泥上に斜めになっていた。

ヌマガイ

ヌマガイ ため池などの止水域に生息しているドブガイの仲間だ。 殻頂が発達し殻高が高く、大型で卵円形、真っ黒でつややかな印象があり、泥の中に多い。殻長は20cmを越える。 タガイ同様に幼貝は黄緑色であるが、成長につれて褐色から黒色になっていく。 ただし淀川のワンドでは、殻長が10cmを越えても殻色が黒くならず、緑と薄褐色をした細かい同心円上の筋模様をもつ個体が捕れる。 ちなみに、写真は水が抜かれた冬季の農業ため池で底泥に潜っていた個体。乾燥した池底には、本種の殻が至る所にあった。

マツカサガイ

マツカサガイ 比較的水の綺麗な河川や用水路の砂底、砂礫底に生息する。止水域では見かけたことがない。 流水を好み、ヤリタナゴやアブラボテなどの産卵母貝となっているようだ。 中型卵円形で後背部にはV字をした連波状の彫刻があり、よく似たニセマツカサガイより彫刻の間隔が広くてはっきりしている。 また、殻頂周辺から前方部に小柄な連波状のイボイボがある。 幼貝は薄緑褐色で殻全体にこのイボイボが広がるが、成長するにつれて褐色が濃くなり周辺部のイボは薄くなっていくようだ。 殻長は5cm程度である。写真の個体は三面コンクリート護岸の用水路の中にいた。 所々でわずかに砂が溜まっている場所に体を斜めにして留まっていたが、このような水路では大雨などで水の流れが激しくなると流されてしまうだろう。  

ニセマツカサガイ

ニセマツカサガイ 河川や用水路の砂底、砂礫底に生息する。形は中型卵円形で後背部の連波状の彫刻や前方部に小柄なイボイボがあるところなどは、マツカサガイに似ている。 左写真のように後縁部が少し湾入することが特徴であるが、それが見られない個体もいるようだ。 また、マツカサガイに比べると蝶番の部分が感覚的にやや太い傾向にあると、とある二枚貝の研究者から聞いた。見分けるひとつの目安になるかもしれない。 幼貝は褐色で殻表には細かなさざ波状のイボイボがあるが、成長に伴い黒っぽくなりそれらも目立たなくなる。 本種もタナゴ類の産卵母貝となっており、殻長は7cm程度になる。写真は殻長3.5cm程度の個体。 若貝なので殻表のイボイボがよく目立ち、また後縁部の湾入も見られる。アブラボテが多く生息している河川の岸寄りで流れが緩やかな場所の砂底にいた。

カタハガイ

カタハガイ 比較的水の綺麗な河川や用水路などの砂底、砂礫底、砂泥底にいる。池などの止水域では見たことがないので、流水を好む種のようだ。 川によっては優占種となっているところもあるが、限られた場所でしか見られない。殻は長卵形で、殻頂は前方により後方に長く広がっている独特な形。 殻幅も小さく、平べったい感じである。殻の表面には分枝状の放射肋があり、これが本種の特徴となっている。 夏の高温に特に弱く、長期飼育は難しい。殻長7cm程度。中には8cmを越えるような大きな個体も捕ったことがある。

オバエボシガイ

オバエボシガイ 河川や用水路の砂底、砂泥底で見ることができるが、同所に多くいる印象はない。 他の種類が多く生息しているような場所で見られ、流水を好むマツカサガイやカタハガイと一緒に捕れる。 小型卵円形で、殻長は3cm程度と小型でシジミと同じようなサイズであるが、やや三角形に近い形をしている。 殻頂から中央後部にかけて連波状の模様が見られるが、あまり目立たない個体もある。

トンガリササノハガイ

トンガリササノハガイ 河川や用水路、池沼の流水域の砂泥底に生息する。15cmを越えるような大きな個体も見られる。 殻の形はナイフのような大型超長卵形で、殻頂は前方に片寄り、後方が特に長く細くなり尖っている。笹の葉に見えなくもない。 紛らわしいのは、琵琶湖や淀川につながる用水路やワンドなどで見られる固有種として、外観がやや太短い「ササノハガイ」が分布するとされてきたこと。 現在、ササノハガイはトンガリササノハガイの湖沼型とされ、種としてはトンガリササノハガイ1種とされているそうだ。 外観上、典型的な違いのある個体は確かに見られるのだが、形態の変異は連続的で両者の境界がわからずに少々困っていたので、少しすっきりした。 幼生にも違いが見られないそうだ。

ヤマトシジミ

ヤマトシジミ 河口域、汽水域の砂泥底にすむ二枚貝。いわゆるシジミとしてスーパーなどに売られているもので、みそ汁などにして食べるとうまい。 殻長は3cm程度で三角形をしており、アメ色で光沢がある。写真は淀川汽水域の砂泥底で捕れたシジミ。 タモ網で軽く水底漁ると、幼貝から成貝までたくさん捕れた。「魚庭(なにわ)の鼈甲(べっこう)しじみ」のブランド名で売られているという。 食べたら美味しかった。 ただし、3月~9月にかけてはエサとなるプランクトンが原因で毒(貝毒)を持つことがあり、「貝毒発生中」の看板が立てられることがある。 HPなどでもこれらの情報はきちんとチェックした上で、安全なシジミを口にしよう。

マガキ

マガキ 冬の味覚として鍋の具材やフライなどにされる有名な二枚貝。内湾に普通で、淡水の流れ込む汽水域にも生息する。 干潮時には水面から出てしまう場所に多い。岩や転石、コンクリート護岸などに着生しそこで成長する。 着生してからはほとんど動くことがないため筋肉が退化し、体のほとんどは内臓だ。 殻の形は変異に富んでいて同じ形の殻はないが、一般に細長く、付着する左殻が大きく膨らみをもち、右殻はやや小さく扁平して深い皿のような形だ。 殻のエッジは鋭くて、下手に触るとナイフで切ったような怪我をするほど。 着低した本種があちこちに見られる汽水域では胴長(ウェダー)が破れやすく、軍手などを着用した上で扱った方がよい。 幾重にも重なって密生しており、隙間がたくさんある「カキ殻マンション」は小型甲殻類やギンポ類などに住処を提供している。 食用とされる大型のカキにはイワガキもある。ちなみにこちらは夏が旬。

カワヒバリガイ(国外外来種)

カワヒバリガイ 殻長3cm程度の中国原産の国外外来種。細長い亜三角形や滴形の外観をしている。 日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれており、カワヒバリガイ属は外来生物法で特定外来生物に指定されている問題児だ。 コイ科魚類に寄生する腹口類吸虫の中間宿主で、淀川水系ではオイカワなどの在来魚類に魚病被害が出た。 1990年に揖斐川で最初に確認され、琵琶湖淀川水系では1991年に西の湖で見つかった。 現在では琵琶湖沿岸域全域や淀川水系に多数生息している。本種は足糸と呼ばれる糸状物質を殻底部から分泌し、護岸や転石などの硬い部分に固着する。 水道施設や発電施設などの導水管路内に密集して大量に固着し、水の流れを妨げたり、大量死による水質の悪化が社会問題になっている。 一旦固着するとカキ類のように生涯動かないと思っていたが、環境が気に入らなければ足糸を切り離し、足筋で這って新たな場所に移動し付着するそうだ。 写真は淀川から取水する用水路の転石に固着した個体群。石組みの隙間など、至る所にびっしりいた・・・。

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