チャネルキャットフィッシュ Ictalurus punctatus ~アメリカから来た暴食ナマズ~
アメリカナマズ科イクタルルス属

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チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)

【生態】 湖沼や河川の下流域に生息しており、水底付近で生活する。全長70cmほどで頭部は縦扁し体後方は側扁する。 アメリカナマズとも呼ばれるがナマズよりも体の形はギギに近い。4対8本の口ひげをもち、背部が暗灰褐色で腹は白い。 未成魚は金属光沢があり、10cmを超えるぐらいから体側に黒色斑が散在する。胸びれと背びれに硬いトゲがあるので扱う際は注意が必要だ。 産卵期は初夏。浅く掘った産卵床に卵を産み、雄が卵と仔魚を守る。暖かい時期は浅場に現れ、魚類、甲殻類、水生昆虫などを幅広く食べる。 ちなみに、釣りで容易にかかるが、駆け引きもなく、単に重いゴミを引き寄せるといった感じで、釣りとしての面白味はゼロ。
【移入の経緯と現状】 北アメリカ原産で1970年代に前半に食用目的で日本に移入されたが、養殖池などから逃げ出すなどして野外に定着した。 霞ヶ浦では1994年以降個体数が急激に増加。今では沿岸から魚やイカの切り身を餌にしたチョイ投げですぐに簡単に釣れるほど個体数が多い。 全長70cmを超えるような大型種で個体数もかなり多いため、特に捕食による在来の生態系に与える影響はかなり大きいと思われる。 現在も生息地は拡大し続け個体数は急増している。 数多くの固有種を有する琵琶湖水系では、天ケ瀬ダムで繁殖した個体が瀬田川を遡上し、琵琶湖にジワジワ侵入してきている現状にある。 2022年段階では、琵琶湖へは定着判断には至っていないものの、2012年以降南湖で、2017年以降洗堰上流の瀬田川で毎年継続的に確認されている。 本種が琵琶湖に定着すると琵琶湖固有種を含む在来魚類が壊滅的な打撃を受け、 また固有種を含む様々な魚種を対象にした漁業にも甚大な影響が出る恐れがある。 2019年から滋賀県漁業協同組合連合会により積極的な駆除活動が行われており、 かつてのブラックバスやブルーギルと同じ轍を踏まないよう、定着阻止に期待したい。 外来生物法で特定外来生物に指定され、飼育・運搬・保管・販売・野外に放つなどの行為が法律で禁止されているほか、 生態系被害防止外来種リスト・緊急対策外来種などに指定されている。 海外では食用にされ養殖も盛ん。捕まえたらその場で絞めて食べよう。

全長25cmほどの未成魚。 緑灰色で金属光沢をもつ。体には黒色斑が散在している。

イカの切り身を餌に釣った成魚。 全長60cmほどでとても大きかった。 簡単にかかるし、かかってもあまり逃げ回ることなく、重いごみを引き寄せるような感じで釣りの面白みは全くない。 口が硬くて針外しにも一苦労。

上と同時に釣った全長35cmほどの個体。 この個体は体側がやや黄色っぽい。

真上から見るとこんな感じ。 ずんぐり太い体をしている。

幼魚を拡大。 黒くて太い口ひげがある。

眼は真横についていて、 左右に開く大きな口。放射状に広がる4対8本の口ひげをもつ。

※採捕した個体はその場で撮影し、その後適切に処分しました。

last modified : 2023/12/29
created : 2022/6/23

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