ゴクラクハゼ Rhinogobius similis
ハゼ科ヨシノボリ属

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ゴクラクハゼ

【生息場所】 河川の下流域と汽水域の流れの少ない砂底に生息している。比較的塩分の低いところを好むようだ。
【外観・生活】 全長は8cm程度。体色は薄褐色で、体側にはにじんだような黒褐色の縦斑が5~6個あって、青または青白く輝く小斑点が散らばっている。 吻は長くて上あごが下あごよりも前に出ていて、どこか鼻を伸ばしている顔に見える。頬にはミミズが這ったようなウネウネした模様があるのも特徴だ。 第一背びれは伸びず、背びれや尾びれには細かい模様が入る。本種はヨシノボリの仲間。 目の直後まで鱗があり、それはヨシノボリの仲間では本種だけとのことだが、 体側のキラキラした小斑点や頬のウネウネ模様で他のヨシノボリと間違うことはない。 産卵期は6~10月。砂に埋まった石の下に雄は産卵床をつくり、卵を孵化まで保護する。 孵化した仔魚はただちに海へ下り、秋までに2~3cmに成長してから河川を遡上してくるようだ。底生小動物や水生昆虫、付着藻類などを食す雑食性だ。
【捕る】 タモ網または釣りで捕る。タモ網でしか捕ったことがないが、ハゼ釣りをしていると(本命の)マハゼに混じってたまに釣れると聞いた。
【その他情報】 本種は大阪府では絶滅危惧Ⅰ類に分類されていたが、2014年の改訂で絶滅危惧種から除外された。 おそらく急に増えたわけではなくて、調査データを精査した結果だと思うが、そんなこともあるのね・・・。
【コメント】 海のない奈良県で生まれ育った私にとって、汽水域は全く馴染みのない領域だった。 潮の満ち引きを考えて釣りや魚捕りのタイミングを図るというのが面倒で、またどんなところにどんな生き物がいるのか、そもそも勘が全く働かないからだ。 しかし、汽水で魚を捕る機会がたまたまあって、そこではじめて本種を手にしたときは嬉しかった。 汽水域の魚をほとんど知らなかったので、捕れたときは(かの有名な)マハゼだと思い込んでいたが、 顔にウネウネしたヘンテコな模様はあるし、体には青くキラキラしたウロコもあるし、家に帰って図鑑の写真と見比べるとどうも違うことに気づいた。 他のページをめくって、捕った個体がゴクラクハゼであることにはすぐにわかったのだが、 新しく出会った種は知ることがたくさんあって、楽しいものだと改めて実感した。 さらに、改めて図鑑をいろいろ見ていると、汽水のハゼは種類がかなり多くて奥が深そうだと思った。 本種はそれらのことを私に気付かせてくれた最初の汽水ハゼなのだ。超普通種であるマハゼよりも先にタモ網に入ってくれて良かったと思っている。

春の雄。 全長は9cm程度。体側には暗色の班が並び、頬にはミミズが這ったようなウネウネ模様がある。第ニ背びれは伸長していて美しく色づいている。

春に捕まえた個体。 感潮より少し上流にある淀みでマハゼ、スミウキゴリと一緒にタモ網に入った。全長は9cmを少し超えるくらいだった。これも雄かな。

全長8cm程度の雄。体側には 青または青白く光る小斑点がたくさん見られる。背びれは薄黄色、尾びれ上端、下端も朱色を帯びる。

同所で捕った雌。 全長は7.5cmだった。雌も体側に青白く光る小斑点をもつが、背びれや尻びれはより小さく透明で雄のように色付かない。

夏の汽水域でたくさん捕れた。 海水が直接混じるところより少し上流を好むようだ。

夏に捕った雄。 本種は体側で青白く光る小斑点についつい目に行くが、ひれは結構大きくて朱色の縁取りや黄色帯などで色付いていてきれいなのだ。

秋に捕った雌と思われる個体。 やや深みのある場所のコンクリートブロックでたくさんの個体が見られた。

私が捕った汽水魚第一号。 汽水にいるハゼっぽい魚ということで、はじめはかの有名なマハゼだと思っていた。今見れば全然違うんだけど、一般にはそんなもんかも知れない。

全長3.5cm程度の幼魚。 まだ本種らしさが出ていなくて、似ているマハゼなんかと間違えそう。

早春に捕った3cmに満たない個体。 同じようなサイズの個体がたくさん捕れた。

春に捕まえた全長約2cmの稚魚。 こんなサイズは同時に捕れる多種と紛らわしくて、悩ましい。でもかわいい。

梅雨時期に捕まえた可愛い個体。 堰の下のタマリにたくさん群れていた。小さくても青白くキラキラした小斑点がきれいだ。

すくい上げたタモ網にいた本種は 体側の青白い小斑点がキラキラしてきれいだった。畳まれたひれを上から見ると、朱色に色付いていることがよくわかる。

秋に捕った個体。よく肥えている。

真上から見るとカマツカに似ている。 何となく全体的な雰囲気がそっくり。春に捕った個体だけど少し痩せてる?

裏面から。 ハゼの仲間だけあって腹びれは吸盤化している。でも流れを好まないことから、吸着力はあまり強くないのかも。

よく見ると 目の後ろまでウロコがあることがわかる。ホッペのウネウネ模様はどこか南国チックな印象だ。

正面から。 両目の間から口にかけては模様がない。鼻の下を伸ばした人みたい。

last modified:2017/6/13
created:2012/4/2

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