カダヤシ Gambusia affinis ~”メダカ”を追いやるそっくりなヤツ~
カダヤシ科カダヤシ属

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カダヤシ

【生態】 生息地、生息域ともに多い。水田、用水路から河川の流れの緩やかなところ、平地の湖沼などさまざまな水域に生息している。 ”メダカ”が好む生息環境と似ているため、”メダカ”の分布域がどんどん狭まっている原因のひとつとして、本種との競争が考えられている。 温度変化、塩分、汚染、酸素不足などに強く、プランクトンや小動物、藻類、仔稚魚まで何でも食べる雑食性である。 雄の尻びれの前部は変形して交接器になっており、交尾により体内受精して直接仔魚を産む。 温暖期であれば繁殖は常時行われる可能性があり、一度交尾した雌は精子を貯えることができるため、 タチが悪いことにその状態で放流されればそこで繁殖してしまう・・・。 雄は3cm程度、雌は6cm程度であり、見た目も大きさも”メダカ”に良く似ている。 上からみると体長方向に黒色の筋が見られないこと、尾びれは”メダカ”に比べて丸いことで簡単に見分けることができるが、 普段から見慣れている人以外には難しく、本種を”メダカ”だと思っている人はかなり多い。 私の身の回りでも、淀川で捕ってきた魚を”メダカ”だと思って小学校のビオトープに放したところ実は本種であったという事例が過去にあった。 何のためのビオトープなのかと思ってしまう。啓蒙活動がもっともっと必要だろう。
【移植の経緯と現状】 本種は1913年にアメリカから、1916年に台湾から、日本脳炎などを媒介する蚊(ボウフラ)の駆除を目的として日本に持ち込まれ放流された。 「蚊を絶やす」ことからその名が付けられたという。繁殖力が強く攻撃的な性質のため、在来メダカを含めた影響はかなり大きい。 産卵する際に卵を産み付けるための水草を必要とせず、コンクリートで固められた水路であっても繁殖できる。 圃場整備でコンクリート化が進められる水路は、”メダカ”などにとってはダブルパンチである。 本種のように小型で在来種に良く似た魚は、見つけにくく見落としやすいため完全に駆除することは大型の魚食性外来魚よりもかなり難しいだろう。 北アメリカ原産であるが、現在は南極大陸を除く世界中の淡水域に生息しているそうだ。 それは20世紀はじめからその名「mosquitofish」の通り、マラリア蚊のボウフラを駆除する目的で各地に導入されたためであり、 今では世界で最も分布域の広い淡水魚である。それでいて、”メダカ”よりも蚊を絶やす力をもっているかと言えば、そうではないらしい・・・。 現在、外来生物法で特定外来生物に指定されており、飼育・運搬・保管・販売・野外に放つなどの行為が法律で禁止されているほか、 世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100、生態系被害防止外来種リスト・重点対策外来種に指定されている。

淀川で捕まえた雌。大きな眼に上を向いた口、体形など全体的にいわゆる” メダカ”によく似ている。ひれの中でも尾びれが丸っぽい形であることと、鱗が黒っぽく縁取られて網目状に見えるところなんかが”メダカ”と違う。

郊外の親水公園で捕まえた雌。 体の汚れからわかるように、決して水質は良くない場所だった。水質には耐性があるところこも本種の強い点だ。

上の個体と同じ場所で捕まえた雄。 残念なことにブルーギルに混ざって浅い淀みにたくさん群れていた。

比較的大きな用水路でタモ網に入った個体。 在来魚も多いところだが、ここではタイリクバラタナゴやブルーギル、過去にはオオクチバス、カムルチーも入ったことがある。 1匹だけだったけど、こいつもいたか・・・。とても残念な気持ちになる。

体色も”メダカ”によく似ている。 ”メダカ”にある、背中を走る暗色縦帯がないので、どこか抜けている感を感じるが、これは見慣れていないとわからないだろうな。 小学校で習ったメダカのひれの形を思い出して欲しい。ほら、よく見るとぜんぜん違うぞ。

淀川流入河川で捕れた個体。 ”メダカ”は見られず本種ばかりの河川も多い。こうやって集団でいるところも”メダカ”にそっくり。

真上から見た本種。 背びれより前方に背部中央を走る細い暗色線が見られる。”メダカ”は背びれ基点から上顎にかけて暗褐色の縦帯(もっと太い)がある。 シルエットはよく似ているし、”メダカ”と間違われるのも無理はない・・・。

正面から。 う~ん、上についた口、眼の感じなど、ますます”メダカ”にそっくりだ。このアングル、似すぎ。

※採捕した個体はその場で撮影し、その後適切に処分しました。

last modified:2017/5/3
created:2012/1/7

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