カラドジョウ Paramisgurnus
dabryanus ~長いひげ&太短い体のヨソ者ドジョウ~
ドジョウ科ドジョウ属
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【生態】
用水路、田んぼ、ため池などの泥底に生息し、全長は最大で20cmを超える。
在来種であるドジョウと非常によく似ているが、全体的な印象としては口ひげが長く、太い。
その他、尾鰭前部の膜鰭がよく発達し尾柄高が高いこと、尾鰭基部上部の黒点が不明瞭なことが多いこと、鱗がより大きいので目立つことなどがある。
ただし、ドジョウもカラドジョウも形態の変異があり、区別が難しい場合も多い。雑食性。
在来ドジョウとは染色体数が異なるため交雑しないそうだが、生息環境や食性、産卵形態などがよく似ているため、
在来ドジョウと競争関係にあり、何らかの影響を与えている可能性がある。
【移入の経緯と現状】
中国や朝鮮半島を原産地とする国外外来種。
食用を目的に輸入されたドジョウの中に混入していたものが、逃げ出したり遺棄されたりして定着したとされている。
ただし詳細は良くわかっていないそうだ。
現在、生態系被害防止外来種リストに記載され、総合対策外来種に指定されている。
夏、河川中流部の淀みでタモ網に入った。
全長約12cm。太ったドジョウが捕れた!と思ったら、体が異様に太丸くて尾柄がやたらと高い・・・。口ひげも長い・・・。
カラだ・・・(落胆)。
見てこの長い口ひげ!
水の流れでゆらゆらする。こんな長い口ひげの在来ドジョウはいません。ちなみに全長は約8cm。
全長11cmほどの個体。
体の感じは在来ドジョウに似ているが、うろこが大きくて縞模様が見える。
ちなみに頭部が大きく見えるのは体が斜めに向いているからだよ。
全長7.5cmほどの個体。
小さくても在来ドジョウより体がずんぐりしていて、口ひげが長い。
同時にこんな個体も捕れた。
口ひげは長くないので在来ドジョウかと思いきや、尾柄の鰭膜が発達していてそう思えない。
口ひげは欠損することもあるので、本種で良いと思う。
全長10cmほどの個体。
やっぱり体は太短い。尾びれ基部上部の黒色は見られない。細かい縦筋というかうろこの模様が確認できる。
全長6cmほどの小型個体。
口ひげは十分長いが、体の太短い感じは弱い。大きくなるにつれて体は太く丸くなる感じだな。
これぐらいのサイズだと結構わかりにくい。
淀川から取水する
寝屋川の用水路で2011年8月に捕った全長3.5cm程度の個体。
捕れたときはドジョウだと思っていたが、写真の整理の際に本種の特徴を備えていることに気付いた。
体は濃い土色。
背側から見ても太い。
頭部拡大。
口ひげが長ーい!本種の口ひげの長さは、ひげ基部から瞳中央までの距離より長いことがひとつの目安。
口ひげが長いこともあるが、
うろこがよくわかる。と言ってもうろこはすごく小さいけど、在来ドジョウはもっと小さくてほぼわからない。
正面から。
口ひげは10本。放射状に広がる。この長さ、えぐいわ~。
口ひげ拡大。
口ひげの長さは、口ひげ基部から瞳中央までの距離より長い。
尾部拡大。
尾柄部が尾びれから膜状に広がり尾柄高が高い。またドジョウがもつ尾びれ基部上部の黒点をもたない。
created:2012/1/7