カワヨウジ Hippichthys spicifer
ヨウジウオ科カワヨウジ属

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カワヨウジ

【生息場所】 河川汽水域にある流れが緩やかな水路やたまりに生息している。あまり開けておらず、枯れ枝や草が覆い被さっているような場所を好む。
【外観・生活】 全長20cmくらい。ヨウジウオ類に共通する細長い棒のような体で、表面は骨板で覆われていて硬い。 吻は細長く先端に小さな口が上向きについていることも同様だ。体色はこげ茶色で、各ひれは透明で小さいためほとんどわからない。 本種の特徴は腹部が緩やかに膨れていて、そこに13本前後の白い横帯があること。 このシマシマ模様はよく目立ち、よく似たヨウジウオの中でも区別しやすい。 繁殖期は夏から秋だそうで、雌は雄の育児嚢という卵を保護する器官に卵を産み付ける。 雄は受精卵を抱えながら保護し、稚魚は親と同じ形で生み出される。 本種は特に岸際に生える植物の根元などに見られるが、こんな場所は隠れ家になるだけでなく、餌となる甲殻類も多い。
【捕る】 汽水域のヨシの根元近くで、水面に枯れ枝などのごみが覆いかぶさっているようなところにタモ網をかまえ、足で追い込む。 付近をクネクネ泳いでいるところをすくったこともある。
【その他情報】 育児嚢という卵を保護する器官をもつ魚には、本種を含むヨウジウオの他に、タツノオトシゴの仲間やシードラゴンの仲間がある。 これらはいずれもヨウジウオ科に属する魚であるが、いずれも異なった育児嚢の形態をしている。 シードラゴンの仲間のそれは表皮上に卵がひっつく形、ヨウジウオの仲間のそれは卵を保護するように表皮が被さった形、 タツノオトシゴの仲間のそれは袋状の形だ。
【コメント】 育児嚢をもつ個体をはじめて捕まえたのが本種だ。 特徴であるシマシマ模様をよく見ようと思って、腹側にひっくり返したとき、体に沿って左右に盛り上がる部分を見つけた。 それが育児嚢だったことは、実は家に帰ってから知ったのだが、育児嚢って面白い器官だね。 魚の産卵の仕方はいろいろあって、水中にばらまく、水草や石の裏に産み付ける、二枚貝の中に生みつける、巣をつくって生みつける、 託卵するなどがあり、さらに産み付けた卵の保護については、産みっ放しもあれば見守るもの、新鮮な水を送って世話をするものまである。 本種を含むヨウジウオの仲間が採った戦略は、親魚が常に卵を抱え持ち運んで世話をするというものだ。 身に付けるため卵の数には制限があるのだろうが、その分、卵を外敵から守るのに効率的。がんばれ~、お父さん。

秋に捕まえた全長15cm程度の個体。 ひれが小さく透明なので、こげ茶色のヘビのようにに見える。

腹部には13本の縞々模様。 これが本種のアイデンティティだ。わかりやすい区別ポイントなので、知ってしまえば間違うことはない。

上面は薄褐色で、 この個体を捕まえた泥底の色にそっくりだ。カンテンイシヨウジと似ている。

頭部を拡大。 吻は細長くて先端部分に上向きの口がついている。どこに眼があるかわかる?

つまんでいるところに、 育児嚢という卵を保護する器官がある。 タツノオトシゴのような袋状ではなく、表皮で覆い被さるように卵を保護する。

created:2016/11/10

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