オオクチバス Micropterus salmoides ~在来魚を追いかけ回す大食漢~
サンフィッシュ科オオクチバス属

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オオクチバス

【生態】 いわゆるブラックバスである。湖沼、池、河川の流れの緩やかなところなどに生息し、残念ながら生息地、生息域ともに多い。 成魚は大きいと1m近くにもなり、沿岸部などの水草や障害物のあるところで春から秋にかけて活発的に補食する。 産卵期は5~7月で、流れのないところで雄は砂泥底にすり鉢状の巣をつくる。 卵が孵化するまでの期間および孵化してから数cmになるまでの1ヶ月近くの間保護する性質があり、繁殖力が強い。 稚魚期には動物プランクトンを食べ、全長50mmを越えた頃から魚食性に転換し、魚卵や泥の中に潜っているものを除いて、 魚類、エビなどの甲殻類やカエル、落水した水鳥やネズミなど、およそ口に入る生きたものなら何でも食べるようになる。 餌は丸飲みするため飲み込めない魚は吐き出すが、吐き出された魚の多くは鱗が脱落することなどによって死亡するそうだ。 水質の汚染には弱く、コイ類よりも酸欠を起こしやすいという。湖沼などの近年の水質改善が大繁殖の一因かも知れない。
【移入の経緯と現状】 スポーツ・フィッシングの対象として有名で、原産の北アメリカ各地だけでなく世界各地に移植されている。 日本には1925年にオレゴン州から芦ノ湖にあった東大の実験場にレジャーや食用の研究目的で持ち込まれ、ワカサギなどを餌にたちまち定着した。 当初は芦ノ湖からの持ち出しは禁止されていたが、1930年代に長崎県などで試験放流、1965年頃からの釣りブームに乗って全国各地に放流され、 特に1980年になってから急速に分布を広げた結果、日本全国に生息するようになってしまった。 急速な拡大の原因は、釣り人等による個人的な持ち出しや、試験に混じって稚魚が運ばれた可能性、観光地への客寄せ目的の放流、 飼育魚の遺棄などが考えられる。本来は比較的暖かいところの湖沼を主な住みかとするが、 河川の下流域の淀みや、近年各地でつくられたダムや堰によってできた止水域も彼らの住みかを提供している。 また河川改修などの環境破壊が、生息や産卵の適地を増やしてきたという側面も指摘されている。 本種が放流された湖沼はその生態系に大きな影響を受け、エビ類、ワカザギ、ヨシノボリ、モロコ類などが姿を消した水域が多い。 琵琶湖で本種が最初に発見されたのは1974年のことであるが、当時捨てるほどいたタナゴ類などはほとんど姿を消してしまい、 漁業上重要な資源であったニゴロブナやホンモロコ、エビ類なども激減し、深刻な被害が出ているという。 現在、外来生物法で特定外来生物に指定されており、飼育・運搬・保管・販売・野外に放つなどの行為が法律で禁止されているほか、 世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100、生態系被害防止外来種リスト・緊急対策外来種などに指定されている。

春の用水路の個体。 全長50cm程度の雌。腹を割くとパンパンになったタラコみたいな形の卵が出てきた。

池には本種がいっぱい。 あっちでやってもこっちでやっても捕れるのはオオクチバス、ブルーギル、タイリクバラタナゴといった外来魚ばかり、 在来魚はほんのちょっとのモツゴ・・・肩を落とす。

田園を流れる用水路で捕れた個体。 これまでは見られなかったが、ここ数年、急に本種が確認されるようになった。上流のため池が供給源かも知れない。

流れのある用水路で捕った個体。 流れに逆らって同サイズの個体で群れていた。岸から見ると尾びれ先端を縁取る黒がよく目立った。

全長10cm程度の個体。 淀川支流のボサを蹴り込むと在来の魚たちと一緒に捕れた。

淀川の支流で捕まえた個体。 水の流れの少ないちょっとした深みに全長7cmくらいの個体が複数見られた。う~ん、残念・・・。

紅葉が美しい季節に捕った個体。 全長12cm程度。水路に入って最初にこんなのがタモ網に入ると悲しくなる・・・。

真冬に捕れた7cmほどの若魚。 在来魚が豊富なワンド内に侵入していた。

淀川で初夏に捕れた若魚。 体の模様もはっきりしはじめ、この頃から魚食性へと変わっていく。

淀川で捕れた幼魚。 6月、わんどや岸近くの流れの緩やかなところでは、このような5cmに満たない幼魚がたくさん捕れる。

群れていた稚魚を掬ってみた。 水田から流れ込むところに稚魚が群れていた。ほんと、何とかならないか・・・

成魚の腹を割いてみた。

上個体の腹から出てきた魚。 消化され始めているが、おそらくモツゴと思われる。同じ採捕地の個体からはこの他にテナガエビ、コウライモロコ、カマツカなどが出てきた。

上から見るとこんな感じ。 迷彩模様になっている。

悪そうな顔をしている・・・ ギャングみたいだ。

暗渠下の用水路で繁茂する 水草をガサガサすると一度に5匹もタモ網に入ることがあった。こんな狭い用水路に高密度で生息するとは、困ったものだ。

米国オハイオ州で釣った個体。 スポーツフィッシングのために放流されているのだという。日本で見られる個体と見た目は同じだ。

オオクチバスの名の通り、 でかい口をしている。胃袋からはザリガニが出てきた。

捕れた魚は トンビやサギたちの食料になってもらった。

※採捕した個体はその場で撮影し、その後適切に処分しました。

last modified:2016/10/29
created:2012/1/7

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