オイカワ Opsariichthys
platypus
コイ科クセノキプリス亜科ハス属
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国内のオイカワは遺伝的に異なる3つの大きな集団(西日本集団、東日本集団、九州集団)が報告されている。
ここでは東京都郊外で捕まえた個体を紹介するが、例のごとく琵琶湖産アユの放流などに伴う西日本由来の個体が移入、定着しており、
在来の集団と広く交雑していることがわかっている。従って、それぞれの個体が何者かは不明だ。
※関西で捕まえたオイカワ(本種メインページ)を紹介
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【コメント】 関東地方と言えばオイカワ。そんなイメージがある。 広い関東平野を流れる河川は流程が長く、オイカワが好む、広く浅くさらさら流れる場所が多いからだろうか。 雄の派手な婚姻色は岸からでもよくわかり、泳ぐその姿は、まさに夏の水辺をイメージさせる。 関東の水辺でみたオイカワの印象は、関西で普段見かける個体より小型の個体が多いということ。 全長9cmくらいの個体でも、ちゃ~んと婚姻色が出ているやつがいる。 私にとってはなかなかの驚きで、浅瀬でチョロチョロ泳ぐあの小さい派手な個体を是非捕ってみたいと思わせた。 夏真っ盛りの多摩川支流、最初はタモ網を片手にザブザブ入り、ここぞというときに振り下ろす。 泳ぎが得意な本種をそんな方法で容易く捕まえられないことはわかっているが、すぐそこにいて、上手くやれば捕れそうに思うから何度もやってしまう。 結局、「ほら、わかってた通りでしょ、やっぱり捕れないでしょ」と自分に言い聞かせることになるのだが、捕れそうで捕れないのがやっぱり悔しい。 そんなときは釣竿の出番だ。水に浸かった草を軽く掬えって捕まえたエビを剥いて、糸を流したら簡単にかかった。 「釣る」というより「釣れる」の方が正しい感じでやや拍子抜けしたが、ちゃ~んと婚姻色が出てる、小型の個体も釣れた。 こんなん、関西ではあんまり見かけへんなあ、やっぱりそう思った。 それから釣れるのは雄がほとんど。なんで?産卵が終わって大型の雌は死んでしまったんやろか・・・?
8月上旬の多摩川支流で捕まえた雄。
トップ写真と同じ個体だ。婚姻色が出ているので成熟していると思われるが、全長9cmほどしかない。体高は低く体側の婚姻色の面積も小さい。
緑色がより薄くて雨だれ模様も多い印象を受ける。小型だからなのか、関東だからなのかわからないが、普段見慣れる関西もんと違う・・・。
この派手な婚姻色はインパクト抜群。
いつ見ても美しい。この個体は全長10cmほど。このサイズでも小さい。
波を立て流れる早瀬の手前に餌を流すとよく釣れた。
こんな美しい雄が釣れるとテンションが上がるのだが、釣れるのは雄ばかりで雌はわずか2匹だけだった。
この個体は関西で捕れたと言われても
違和感を感じない・・・かな。
関東には在来の東日本集団が生息していて、そこに遺伝的に異なる他集団が人為的に入り込んで雑種化している。
こんな状況にある魚種は多く、残念だ。
全長11cmほどの雄。
日本に分布する各集団の間に外観上の差異は見られないそうだが、吻が短いというか、頭が丸いというか、頭長が短いというか、
そんな印象を受ける雄がチラホラ見られた。
小さな個体がいる一方で、大きな個体もいる。
この個体の全長は14cmほど。これくらいのサイズが普段見慣れているサイズだけど、デカいの釣れたって思った。
多摩川で釣った雄。
全長は15cm近くあり、体高のある立派な体をしている。本流の深みにいる個体はやはり大きいな。
多数のスゴモロコ、20cm前後のニゴイやウグイに混じって針にかかった。
初秋に釣った全長10cmほどの個体。
流れのある場所に餌を垂らすとググッとウキが引っ張られた。5cmほどのウグイが多かったが、このサイズぐらいになるとまぁまぁの引きが楽しめる。
秋に捕まえた個体。全長は6cmほど。
同じくらいのタモロコ、ウグイ、アブラハヤなどと一緒にタモ網に入った。尖がった細長い体形にギラギラした体色をもつので、間違うことはない。
冬のはじめに捕まえた全長13cmほどの雄。
幅1.5mほどのコンクリート水路の落ち込みの隅でタモ網に入った。夏の婚姻色は消えて、朱色の横縞が薄く残っているぐらいになっている。
冬に捕まえた個体。
冬の間は雄も雌も銀白色。体側には薄い桃色の雨だれ模様がわずかに残るくらい。
冬に捕まえた幼魚。
落ち葉が積もった淀みに隠れていた。光の加減で一様に銀色だ。
同時に捕れたアブラハヤはこんなにギンギラしないし、ウグイはもっと鱗が細かい。
冬の個体。
全長は5cmを超えるくらい。光があたらないとこんな風に緑褐色。
河川中流域で流れのあるところの岸の草陰でタモ網に入った。脇の淀みには、全長数cmの小さな稚魚が群れていた。
黒い頭部に白く大きな追星、
夏のオイカワの顔やな!
last modfied:2019/12/25