オニヒラアジ Caranx
papuensis
アジ科ギンガメアジ属
【生息場所】
沿岸部や沖合いに生息するが、若い個体は河川河口付近に侵入することがある。
【外観・生活】
全長80cmほどになる大型魚。若い個体は側扁した楕円形をしていて、タイのような顔をしている。
体全体が明るい銀白色で、金属メッキをしたように体はキラキラだ。
成長すると体側に暗色の斑点が散在するようになり、加齢とともに数が増えるようだ。
胸びれは前縁が緩い弧を描き長く、尻びれの下部は黄色で白い縁取りがある。尾びれ下葉も黄色い。
ロウニンアジによく似ているが、体高がより低く、顔はよりとがり、
第2背びれの軟条数は21~23で、ロウニンアジのそれ(18~20)よりも多いことで区別できる。
肉食で若い間は主にエビやカニなどの甲殻類を捕食するが、成長につれて小魚を食べるようになる。
【捕る】
秋、潮が引いたたまりなどでタモ網を振り回せば、まぐれで幼魚が入ることがあるが、遊泳力が高いので通常はタモ網では捕れない類の魚。
ちなみに、成魚は小魚を餌にした釣りまたはルアー釣りが良い。
【その他情報】
日本を北限とするインド洋、西太平洋の熱帯、亜熱帯に広く分布する南方系の魚。
日本では琉球列島や小笠原諸島で見られるが、和歌山など南日本の太平洋側でも見られる。
身にくせがなく適度に脂がのっているので、お刺身やカルパッチョなどの他に、加熱して焼き魚やフライなどで食される。十分美味しい。
【コメント】
秋の河川汽水域、晴れて気持ちいい天気の下で引き上げた網の中にこの魚を見つけたときは驚いた。
まさか、まさかの海の魚!秋の汽水はやっぱ面白いね~、こんな魚も捕れるんだから。
この魚はいわゆる「メッキ」と呼ばれるヒラアジ類のひとつ。平たい体に太陽光を浴びて金属ピカピカに輝くところが個性だ。
同所で捕れるヒイラギもキラキラだけど、本種は全身曇りなくピカピカ、よく描かれる宇宙人が着ている全身スーツの色みたい。
よく似た魚に、ロウニンアジやギンガメアジ、カスミアジがある。
これらは釣りの対象となるが、より大型のロウニンアジやカスミアジが狙われるので、
本種は混獲されることはあるものの、メインターゲットとなることは通常なく、釣れてもリリースされることも多いという。
食べると美味しいのに、釣りや漁業などで「センター」になれない魚って感じかな。
でも魚好きからすると、そういう種こそ興味がそそられるんだよね~。
秋、潮が引いた浅いたまりで捕まえた全長
11cmぐらいの幼魚。体は側扁してペタンコ。楕円形のスタイル。銀白色の美しいきれいな魚だ。海の魚のシルエット、体色だけど、ちゃんと川で捕れたよ。
顔のシルエットのみを
とらえるとタイだね、タイ。よく似たロウニンアジは、吻端から背にいたるラインがもっと急に立ち上がる。
改めてだけど、白金光沢のピカピカがやっぱすごいわ。ひと昔前に想像された宇宙人(が着ている全身スーツ)っぽい色って、こんな感じよね?
わずか11cmほどの個体ですが、
せっかく捕れたので素揚げにしてみた。身は白身でアジのような味。とても美味い魚でした、ご馳走さまでした。
上から見るとこんなに
薄っぺらい。左右の胸びれは大きく、尻びれ下方や尾びれ下葉の黄色がちらちら見える。
左右からつぶして縦長にした
ウルトラマン顔!似てへん?