ルリヨシノボリ Rhinogobius mizunoi
ハゼ科ヨシノボリ属

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ルリヨシノボリ

【生息場所】 小規模な河川の中上流域に生息し、白波が立つような早瀬から淵頭の急流部など流れの速い場所を好む。
【外観・生活】 全長が10cmほどになる大型のヨシノボリ。ほほに瑠璃色に輝く小斑点が散在し、尾びれの付け根に「ハ」の字を横にした黒色斑があることが特徴だ。 体側にも青色や白色の斑点をもつ個体が多く、尾びれ条には点列をもたない。また、胸びれ付け根付近には、赤色の線模様がある。 繁殖期は春から初夏で、雄は全身が黒くなり、本種の特徴である上記青色の斑点が不明瞭になる。 第一背びれの前縁は青白く染まり、第二背びれや尾びれの縁が白くなってよく目立つようになる。 他のヨシノボリ類同様に、雄は石の下を掘って巣をつくりそこで繁殖する。孵化した稚魚は直ちに海に下り、2cm程度に成長して夏ごろに川へ遡上してくる。 水生昆虫や付着藻類などを食べる雑食性だ。
【捕る】 タモ網を石の下流側に構え、石を足でどかして追い込む。 かなり流れのある場所であれば、石をどかすだけで良い。
【飼う】 飼育は比較的容易であるが、オオヨシノボリやクロヨシノボリ同様に複数匹の飼育には注意が必要。単独飼育が望ましい。 それは、他のヨシノボリの姿を見るとすぐに威嚇し、一番大きな個体が水槽空間を占有することで他魚が追いやられる羽目になるからだ。 エサは冷凍アカムシで良く、気配を感じるとエサを頂戴ちょうだいと水面近くにやってくる。口に入るサイズの小魚やエビ類も喜んで食べる。
【その他情報】 以前はヨシノボリるり型と称されていた種。青(瑠璃)色の小斑点が見られることからこの名で呼ばれていた。 2017年2月28日に新種記載され、Rhinogobius sp. COから現在の学名が付けられた。 オオヨシノボリと同所に生息する場合もあるが、本種はより小河川を好み、本流に流れ込む支流にも多いと思う。 河川の上流域にまで遡上するため、ダムや湖沼で陸封されるものもいるそうだが、それらはやや小型化し、色斑もやや不明瞭な傾向にあるそうだ。
【コメント】 きつい日差しが降り注ぐ春の終わりに、通りがかりに見つけた冷たくてきれいな水が流れる川で遊んでいたときのこと。 本種との最初の出会いは、全長4cm程度の小さなカワヨシノボリが捕れ続ける中で、その倍もあるような大きなヨシノボリの雌が捕れたことだった。 最初はなんちゅうでかいカワヨシなんやと思っていたが、 その後、捕れた個体のほほに瑠璃斑があることに気づいて、それまでのでかいヨシノボリは全て本種であることがわかった。 本種は瑠璃色小斑点が確認できれば他のヨシノボリ類と容易に区別できるが、繁殖期の雄や、雌の中にもはっきり確認できない個体がいるので、 尾びれ付け根にある横向きハの字型黒色斑も覚えておく方が良さそうだ。 手にして印象的だったことは、吸盤状になった腹びれの吸い付き感。タモ網から取り出すときなどにキューッと強く吸い付く独特の感触がある。 オオヨシノボリやクロヨシノボリとも共通する点であるが、止水域を生活の場とするシマヒレヨシノボリや他のハゼ類なんかとはぜんぜん違う。 本種を思い起こすと、その触感が頭をよぎる。触覚的に印象的ってのはいかにも手にした感じがあっていい。

初夏に捕まえた立派な雄。 繁殖期には全身がこんな風に黒くなり、第一背びれの前縁が青く染まる。 ほほや体に瑠璃色の小斑点があるが、太陽光に当てると何とかわかるレベルだ。全長10cm程度だった。

雌の成魚。全長8cmくらい。 ほほと体側に瑠璃色小斑点が見られる。お腹が大きいので卵をもっていると思われる。

ほほや体に青白斑が散在する雌。 大きいし斑点があるので、本種だとわかりやすい。

春の終わりに捕まえた雌の成魚。 瑠璃色の小斑点ははっきりと見られないが、尾びれ基部中央にある「八」の字を横にした模様から本種とわかる。

初夏に捕まえた雌。もう卵は産んだのかな。

初秋に捕まえた全長9.5cmの雄。 繁殖期ではなくても体色は黒っぽい。早瀬でゴロゴロした石を足でどけると構えたタモ網に入ってくれた。

これも雄。 全長は8cmほどだった。同所に生息することがあるオオヨシノボリかと思うが、例えばオオヨシノボリの特徴である胸びれ基底上部の黒色斑が見られない。

初秋に捕まえた全長7cm程度の雌。 尾びれの付け根にある横向きハの字模様がはっきりわかる。

秋に捕まえた雄。 やや増水した河川にタモ網を構え、足で石をゴロゴロとひっくり返して捕まえた。 ほほにある瑠璃色の小斑点が今まで捕った中で一番はっきり出ているかな。全長は9cmを超えるくらい。トップ写真と同じ個体だ。

秋に捕まえた全長約7.5cmの雌。 白い波を立てながら流れるところの石を足でどけると下に構えたタモ網に入った。ほほに瑠璃色斑があるけど、わかるかな?

若い雌。 小さいカワヨシノボリばかりが捕れていたところで、大型のヨシノボリがタモ網に入るとびっくりする。オオヨシノボリも同所で見られた。

冬に捕まえた全長8.5cmくらいの雄。 黒い体色でわかりにくいが、よく見ると瑠璃色斑点がほほにあった。スーッと流れるような流線型のスタイルがかっこええ!

ひれを開いたところをパチリ。 この個体はほほの瑠璃色斑点がはっきり確認できる。比較的赤っぽい体色で、全長は約6.5cm。 ピンと尖った第一背びれは雄の特徴だ。

今度はひれを開いた雌。 雌の第一背びれは雄のように伸長しない。雄と比べると控えめ、地味な印象だ。 冬に捕まえた個体だが、雄のように季節によって変化しない。

春の終わりに捕まえた 全長約4.5cmの個体。若い個体は胸びれの付け根上部に青色斑をもつことも多い。

全長約4cmの若い個体。 ほほと体側に本種の特徴である青色に輝く小斑点が見られる。

初夏に捕まえた全長5cm程度の雌。 小さい体でもお腹が大きかったけど卵もってる?

秋に捕まえた雄。 真上から見ると、本種と同じ大型で、同所で見られることも多いオオヨシノボリによく似ている。

繁殖期の雄。 体色は黒っぽくて、背びれの白い縁取りがよく目立つ。オオヨシノボリとはさらに区別がつきにくい。

お腹の大きな雌を真上から。

上で紹介した繁殖期の雄と同じ個体。 体をひっくり返そうとしたところ。全身が黒く染まっているので、逆に胸びれ根元に白い半円弧状の模様が見られる。

繁殖期の雄は 観察水槽に入れても全身が真っ黒で、ほほや体側の瑠璃色小斑点がわからない。水から取り出すとこんな感じ。わかりにくいがほほにもちゃんとある。

秋のはじめに捕まえた雄の胴部分。 繁殖期はもう過ぎていると思われるが、黒っぽい個体が多かった。黒いうろこは一枚一枚が鎧のようだ。

本種の特徴である ほほの瑠璃色小斑点がよくわかる。胸びれの赤色の線模様もはっきりだ。 胸びれ付け根の上部に黒色斑が見られ、オオヨシノボリみたいだが、ここまで本種の特徴がはっきりしていると間違わないだろう。

雄の頭部。 捕まえたときは全身真っ黒だったが、明るい場所に入れ、体色が薄くなると、ほほにうっすらと瑠璃色斑点が現れた。 こんな風に瑠璃色小斑点がわかりにくい個体がけっこう多い。

胸びれの根元付近には赤色線がある。 よく見ると違うのだが、カワヨシノボリと間違える原因になる。写真は雌の成魚。なんとなくやさしい感じを受けるのは、雌だから・・・?

雄の成魚を正面から。 口には細かい歯が並んでいる。顔は黒く、瑠璃色の小斑点は見られない。

狭い観察ケースの中で、 姿勢を変えるために体を折り曲げたところ。 ここまで瑠璃色斑点がはっきりした個体、はじめて捕まえた。

繁殖期には口の両端下側も 青く染まるようだ。

last modified:2018/2/9
created:2016/5/30

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