ごあいさつ

Top > ごあいさつ

田んぼの近くの水辺 「雑魚の水辺」へようこそ。
私は、奈良盆地の真ん中で生まれ育ちました。 幼少の頃、私の家の周りは田んぼだらけで、そのすき間を縫うように水路が走っていました。 水辺にはたくさんの生き物がいて、子供であった私たちの格好の遊び相手でした。 夢中になって魚を追いかけ、泥だらけになって家に帰り、よく母親に怒られたものです。
あの頃からおよそ40年が経過しました。 埋め立てにより田んぼは減少し、当時まだ残されてた素掘りの水路のほとんどが三面コンクリート化されました。 ため池は放置され、危険だからという理由でフェンスで囲まれ近寄ることができなくなりました。 魚とり網とバケツを持って魚を追いかけている子供なんて、ほとんど見なくなりました。 水辺やその周囲の様子は、ずいぶん変わってしまいました。
私は故郷を離れた今でも、子供と一緒に魚捕りに出かけます。 子供の頃に必死になって追いかけた魚たちとの駆け引きが忘れられず、また自分の子供にも自然に触れることの喜びを感じて欲しいからです。 川に入り、水草の下や石の陰に潜む魚を追い込みます。 引き上げたタモ網の中に、キラキラ輝く魚を見つけると、ただ単にすごく嬉しい気持ちになります。 また、釣り糸を垂れ、ウキの微妙な動きを頼りに水面下の魚たちの動きを想像し、ここぞいうタイミングで合わせます。 サオを伝ってくるグングンとした引きを楽しんだ後、水面から出てきた狙いの魚を手にしたとき、この上ない満足感で満たされます。 その魚たちはフナ、モロコ、メダカ、タナゴといった、普段特に注目されることのない、在来の淡水魚たちです。
これまであまりに身近で「雑魚」と一言で片づけられてきたこれらの魚たちの中には、絶滅危惧の指定を受けた種類が数多くあります。 水辺の生き物たちは、その生息地域で長い時間をかけてお互いに影響を及ぼし合いながら、調和した多様な生態系をつくりあげてきましたが、 我々人間のあまりにも突然すぎ、あまりにも急ぎすぎている身勝手な行為は、その生態系に大きな影を落としています。 水辺との触れ合いを通じて強く感じるのは、多様な環境の重要性です。そこには豊かな生態系を育む包容力があります。 水辺の生き物がたくさん生息できるそんな環境が、いつまでも大切にされ維持され続けて欲しいと思っています。
このサイトでは、これまでに出会った魚たちを中心に他の水辺の生き物や水辺の環境などについて紹介しています。 このサイトを見て、少しでも水辺の環境やそこの生き物たちに関心をもって頂ければ、少しでも水辺に行ってみようかなと思って頂ければ、 そして実際に水辺に足を向けて頂けたら、とても嬉しいです。

ごあいさつ

行く

捕る

観る

飼う

お願い!

コラム

Copyright © 雑魚の水辺 Since 2010
inserted by FC2 system