生きた姿を感じよう
図鑑では得られない「生きた」姿や様子を感じることができる
魚や生き物を捕まえたら、その場でじっくり観察してみましょう。
いろんな角度から観察すれば、図鑑からは得ることができない「生きた」姿や様子を見て感じることができます。
図鑑では一般に真横からとられた静止画や水中でのスナップショットが載せられていますが、それはその生き物のごくごく一面が示されているに過ぎません。
水をはった透明なプラスチックケースやビニール袋に入れれば、横はもちろん上からも下からも、真正面や真上からも観ることができ、
さらにエラを動かし呼吸をする様子や、前後左右に泳ぐ際に使われるヒレの動きなど、水の中での生きた様子を観察することができます。
実際、川から上げたばかりのタナゴ類のあの美しい婚姻色は、とても写真で表現できるものではありません。
繁殖期のオイカワのオスを間近に見れば、
顔は黒く、その周囲に出ている追い星と呼ばれる白いブツブツは図鑑で見るよりもっともっとグロテスクだと感じるでしょう。
一様に褐色で地味に見えるコイやフナも、上と下から見比べれば体色がまるで違うことや、光の加減で微妙にウロコの色合いが変わることもわかるでしょう。
生き物が捕れたら、直接手にとって触れてみても良いでしょう。
いじくり回すと生き物が弱るので程度問題もありますが、どんどん触ったら良いと思います。
指の隙間をこじ開けて逃げようとするドジョウのくすぐったい感覚、ヨシノボリの吸盤(腹ビレ)が手のひらに吸い付く感じ、
大きなコイが身を返すときの力強さ、ナマズの口にある何列にも並んだ細かい歯を触った時のザラッとした感触、
アブラハヤを掴んだときのあの油を塗ったようなヌルッとした感じ、マツモムシを不用意に触って刺されたときのキューッとなる痛さ、
クサガメが発する鼻がもげるようなドブの臭いなどなど、五感をフルに活用すれば様々な感覚を得ることができます。
その場でじっくり観察することに加え、写真を撮ることもお勧めします。
写真は記録になるし、家に帰ってから図鑑やインターネットを使って正確な同定(種類を特定すること)に役立てることもできるからです。
水辺に出かける際は、タモ網やバケツと一緒にビニール袋や透明ケース、デジカメなどの観察ツールを持参すると良いと思います。
せっかく捕った魚や生き物ですから、五感をフルに活用しいろんな角度から生きた姿を見て感じて欲しいです。