外来魚(国外外来種)
Foreign fish species
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外来魚(ここでは国外外来種を指す)とは、人の手によって本来の生息地外である日本に持ち込まれた魚種をいいます。
これらは日本の生態系の隙間に入り込んで他の種を圧倒し、絶滅の危機に追いやり、多様性を低下させている原因のひとつです。
河川や湖沼といった淡水域は、自然の中のごく限られた狭い範囲です。ここに外来種が持ち込まれた場合の影響は、特に大きいものがあります。
問題視されているオオクチバス(ブラックバス)は、原産地である北アメリカで在来のエビや魚などを絶滅に追い込むことはありません。
それはこれらの種が長い時間をかけてともに少しずつ進化してきたためです。
しかし、オオクチバスなどの一部の外来種は、日本の在来種が経験したことのない特徴を備えています。
ブラックバスが突然侵入した場合、それが敵であるとも判断できず、うまく逃げる術ももたず、その水系の在来の生物たちは激減するかもしれません。
現在、残念ながら日本には多くの外来種が入り込んでいます。下記の出会った外来種のうち、
ブルーギル、オオクチバス、コクチバス、チャネルキャットフィッシュ、カダヤシは外来生物法で「特定外来生物」に指定されており、
飼育・運搬・保管・販売・野外に放つなどの行為が法律で禁止されています。これらは特に問題種であるとされています。
さらに日本生態学会は上記4種に加え、タイリクバラタナゴ、ニジマスを「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定しています。
環境省と農林水産省が2015年に定めた我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)には、
ブルーギル、オオクチバス、コクチバス、チャネルキャットフィッシュ、カダヤシ、タイリクバラタナゴ、カラドジョウ、ニジマスが含まれ、
そのうち、ブルーギル、オオクチバス、コクチバス、チャネルキャットフィッシュは「緊急対策外来種」に、
カダヤシ、タイリクバラタナゴは「重点対策外来種」に指定されています。
外来種による生態系等への影響に関心が高まり、日本の生物多様性が保全され、外来種対策がなお一層進展することを望みます。
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<参考・引用ソース>
●川那部他、山渓カラー名鑑 日本の淡水魚 改訂版、山と渓谷社、2005年
●細谷編、山渓ハンディ図鑑 日本の淡水魚、山と渓谷社、2015年
●瀬能他、日本の外来魚ガイド、文一総合出版、2008年
●佐久間他、外来水生生物事典、柏書房、2005年
●内山、今絶滅の恐れがある水辺の生き物たち、山と渓谷社、2007年
●塚原、魚のおもしろ生態学、講談社、1991年
●川那部他、検索入門 川と湖の魚①、保育社、1989年
●大阪市自然史博物館、第35回特別展「大和川の自然」解説書、2006年
●大阪市自然史博物館、第41回特別展「みんなでつくる淀川大図鑑」解説書、2010年
● 日本の外来種対策、環境省
● 侵入生物データベース、国立環境研究所
● 日本魚類学会