環境について考えよう

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魚捕りは、水辺の生き物を知り、水辺の環境について考えるきっかけを与えてくれる

何が網に入ったのかな 川や湖などの水辺に行き、魚などの生き物を捕る行為を通じて学ぶことは大変多いと思います。 水辺の生き物やそれらが生息する環境に関して興味をもち、考えるきっかけを与えてくれるからです。
生息している生き物の種類や数は、その環境に大きく依存します。 フィールドに出て観察したり、川に入って魚を捕ったりしていると、魚が多い水辺とそうでない水辺があることに気付きます。 慣れてくれば周囲の様子や水面を眺めるだけで大凡のことはわかりますが、やはり、魚捕りをしてわかることも多くあります。 また、魚捕りをしていると、 環境が豊かな水辺には魚以外にもカエル、貝、エビ、水草、昆虫、カメやヘビ、鳥などのいろんな種類の生き物がいることがわかります。 そのような場所は魚の種類も多いものです。
魚などの生き物捕りには、捕れるか捕れないかのスリリングな要素があり、また捕るための簡単なテクニックも必要です。 それゆえ、自分自身の手で生き物が捕れると大変嬉しく、それがきっかけで生き物に興味をもち、その生息環境に関心をもつことも多いようです。
実際、魚捕りをしながら、生き物が多いところや少ないところを数多く見ていると、生き物が好む環境、好まない環境が自然とわかってきます。 同じ場所で何度も魚捕りをしていると、魚たちは天候や季節により大きく移動していて、その時々に必要な環境が異なることもわかります。 また、河川改修工事により水辺の環境が変わると、これまでいた魚やエビや貝が全くいなくなるなど、生息する種や数が大きく変わることも知ります。 その時、その理由をあれやこれやと自然に考えるのです。 水辺に行き魚を捕るという行為は、水辺に目を向け、水辺環境をよく見つめることそのものであり、それはとても大事なことだと思うのです。
魚をはじめ生物の採捕に関しては、自然保護の考えや乱獲の問題がよく議論されます。 乱獲は決して許される行為ではありませんが、個人での採捕は乱獲とは全くの別物です。 貴重な自然を永く残すためには採取を禁止すべきだとか、生き物をむやみに傷つけてかわいそうだという考えもあるようです。 事実、魚捕りでは水草をかき回したり、石をひっくり返したり、生息地を一時的に破壊しているかもしれません。 釣り針やタモ網などで魚たちを直接傷つけることがあるかもしれません。 しかし、生息環境に配慮し、ルールをきちんと守った行為であれば特に問題はないのではないでしょうか。
むしろ、局所的な観点からの誤った自然保護の考えのもとに人が水辺から遠ざかることで、 その環境やそこで生息している生き物に対して無関心になる方がよほど恐ろしいです。 無関心だと、我々は豊かな自然の生態系の様々な恵みを受けて生活しているにも関わらず、その恩恵をありがたいと思うことができません。 また、一方的な人間都合で生き物に配慮しない河川工事がされていても、あるいは外来魚が知らないうちに入り込み生態系の多様性が失われて続けていても、 それが問題であると気づくことができません。
魚捕りは、人と水辺を近づけるものです。それがきっかけとなり、少しでも多くの方が水辺環境に関心をもち、考えるようになってくれればありがたいです。

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